5.14 整備の費用


Q241
途上国での建設単価の調査法について説明してください




      Key words:建設単価、標準単価、価格見積り依頼

〈水道施設建設にかかわる単価調査〉

 途上国での水道施設建設にかかわる単価調査にあたっては、当該国の実状にあわせて以下に示すようないくつかの方法が考えられます。
(1)当該国の工業・建設業者協会などの標準価格に関する定期公報(例:建設・工業協会、ホンジュラス、ニカラグアなど中米)調査。
(2)上水道事業管轄機関〔例:PAM JAYA, ジャカルタ/インドネシア、Metropolitan Waterworks Authority:タイ首都圏水道公社(MWA)など〕の年度別標準単価・価格調査。
(3)PVC管、中小口径鋼管など現地産品の標準単価調査(現地メーカーの価格表調査)。
(4)プロジェクト単位での、必要資機材および特殊工事単価など見積り依頼によって、対象事業年度適用の資機材および建設単価の調査(価格見積り依頼)。
(5)見積り依頼について
 途上国の水道プロジェクトにかかわる資機材の見積り依頼にあたっては、依頼相手方に対し下記の項目を知らせないと適切な見積りが受け取れない(一般 に年度別標準単価は発行されていないため入手困難)。
 1)プロジェクト名および施主名。
 2)資機材使用プロジェクト(サブプロジェクト)の概略説明。
 3)プロジェクト実施時期(資機材購入・建設時期)。
 4)資機材の技術仕様(設計仕様)。
 5)概略または詳細設計図面(必要に応じて)。
 また、事業費算出の目的および精度によっては、以下に示すような単価調査の組み合わせにより適応が可能です。
(1)当該国の大まかな目安を知る場合
 当該国または建設環境が類似している近隣諸国における類似プロジェクトの建設単価調査。
(2)基本設計レベルの場合
 当該プロジェクトに関連する上記標準単価調査、必要項目の価格見積り依頼による単価調査。
(3)詳細設計レベルの場合
 当該プロジェクトに関連する上記標準単価調査、必要項目の価格見積り依頼による単価調査。

【参考文献】
1)Boletin Estadistico, Octubre, 1995(Camara Hondurena de la Industra de La construccion).
2)Boletin de la CNC, Julio―agostoseptembre, 1995(Organo Oficial de la Camara Nicaraguense de la Construccion).

(佐々木照治)

戻る    コメント・お問合せ