2.8 資機材供与


Q62
水質分析機器を供与する際に、留意すべきことは何ですか





  Key words:水質分析機器、水質分析技術、市場性

〈水利用事業に則した水質分析機器〉
 水質分析機器の用途について、援助対象とする事業(上下水道・農業・鉱工業など)での技術的適応性を確認することが基本です。具体的には、相手国側の実施機関によって無理なく長期に水質分析機器が使用されるために、次のような配慮が必要です。
(1)実施機関の技術レベル
 1)水質分析技術の実態
 実施機関が従来の分析項目・方法とは異なる新たな技術を取り入れ、供与した水質分析機器を適切に取り扱うことはまれです。また、既存水質分析資料の分析方法が新規供与の水質分析機器の規格とは異なり、水質の統計資料が中断してしまう場合もあります。供与する水質分析機器は技術的な必要性を除き、実施機関の水質分析経験・実績を重視した形式選択が最も有効です。
 2)維持管理技術の内容
 実施機関による水質分析機器の維持管理は、供与機器の持続性に大きくかかわる要素です。維持管理が可能な限り簡単で確実に実施されるよう、維持管理に関連する組織・技術者・施設・経費などの確認が必要です。
(2)市場性
 1)現地の第三国を含む市場性
 水質分析機器の消耗品・スペアパーツ調達にかかわる現地市場性は、当該品の調達国や製造メーカーおよび価格・納期などの状況を十分に調査し、実施機関によって無理なく追加調達ができるような場合にのみ考慮します。実施機関によって第三国調達の要請があった場合には、従来からの取り引きなどをできる限り考慮します。
 2)業者によるアフターサービス
 当該機器の消耗品・スペアパーツの追加調達が将来に必要であり、現地・第三国では調達できない場合には、実施機関自身が調達業者に再注文できるよう担保させることが必要です。このスペアパーツなどの追加調達と前述の現地または第三国調達の条件は、機材調達にかかわる入札図書に反映させ、本体事業の持続性を高める要素とします。

【事例プロジェクト名】
 マラウイ「リロンゲ市下水道整備計画」

(崎山 信勝)

戻る    次へ

コメント・お問合せ