5.3 水 質


Q147
一般的に、土木系の技術者は水質に弱い場合がありますが、最小限認識しておくべき水質関連事項は何ですか





  Key words:水質測定、消毒、水源水質

1.基礎となる知識
 途上国の水道の技術指導に従事する場合には、さまざまなかかわり方がありますが、水源から給水栓までの水道システム全体の業務に携わる機会の多い土木系の技術者には、水質に関する知識は重要です。
 水道は、基本的には、原水水質と供給水質の目標に応じて、適正な浄水処理を行い、飲料水として供給するシステムです。途上国の水道においても、原水水質や飲料水としての目標水質が、水道システムを考えるうえで重要な要素となります。しかし、原水水質は、水源の種類、地域の気候・風土・周辺環境などからさまざまな影響を受けます。わが国とこれらの状況が大きく異なる途上国では、原水水質にさまざまな違いがあることを知っておくべきです。また、水道システムの構成要素およびそれらの維持管理の重要性や体制・方法が、飲料水の水質に多大な影響を与えていることも念頭に入れておくべきです。

2.認識すべき水質関連事項
 途上国の水道には、水源の種類のみで考えても多くの形態があります。水道の定義も広範で、地下水を汲み上げて、消毒なしに直接飲用や生活用水として使用する場合も、水道の範疇として取り扱われます。このため、水質に関する必要な知識も、各国の水道の状況に応じて、範囲や深さが異なっています。
 次に示す水質関連事項は、途上国の水道に共通して認識しておくべきものと考えられます。
(1)水質測定の意義
(2)消毒の意義
(3)水源の種類による水質的特徴
(4)水源水質に応じた処理方法
(5)比色計など簡易な測定計器の使用方法

(相原 重則)

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