5.4 浄水場の計画と設計


Q154
沢水を水源とする場合に、施設設計で特に気をつけることは何ですか





  Key words:浄水場、水源、沢水

〈施設設計において考慮すべき点〉
(1)水 源
 水源が将来汚染される危険性があるかどうかを判断するために、上流側に鉱山などがないかをチェックします。 また水源は鉄、マンガン、フッ素などの金属を多く含有している場合が多いので、過去1年間程度の原水の水質データを分析し飲料水用の水源として問題がないかどうかもチェックします。そのうえで原水水質に対応した処理システムを採用しなければなりません。
(2)水量の把握
 必要な水量が年間を通して沢水から得られるかどうかを調査しなければなりません。安定した取水とするために簡易ダムの建設の必要があるのか、また過剰取水に対するバイパス設備の要否についても検討します。
(3)水源から浄水場までの送水方法
 水源から浄水場まで原水を自然流下で取水するのかポンプを使用するのか決定します。自然流下で取水する場合、浄水場の建設予定地と沢水の取水ポイントとの水位 関係をチェックします。ポンプを使用する場合には、現地の電力事情を調査し、電源供給方法(買電、発電機)について検討します。
(4)水源から浄水場までの取水ルート
 水源から浄水場までのルートと送水方法(配管、水路など)について現地の施工性、維持管理性から調査しなければなりません。できるだけ施工時にも、将来の維持管理時にも危険を伴わないルートと送水方法を選定しなければなりません。難ルートの施工は難しいだけでなく建設費もかさみます。

(横尾 弘一郎)

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