5.4 浄水場の計画と設計


Q166
途上国では、維持管理の難しい高速凝集沈澱池を採用する場合が多いですが、どう対処すべきですか





  Key words:浄水場、高速凝集沈澱池

〈高速凝集沈澱池の採用にあたって〉
 高速凝集沈澱池はフロックの形成を既成フロックの存在下で行うことにより凝集沈澱の効率を向上させたものであり、短い滞留時間で処理を行うことができます。しかしながら運転を常に良好に保つためには高度な知識と運転技術が必要となります。原水水質、循環汚泥、水温などの諸条件を考慮した運転をしなければなりません。このためには以下の技量 を備えた運転管理者が必要となります。
(1)浄水施設の運転管理について専門的な知識をもっている。
(2)高速凝集沈澱池の原理、運転方法について熟知している。特に原水濁度、水温の変動時、水量 変動時の対処方法について習熟している。
(3)単品機器についても正しい運転を行うための知識を有している。
 途上国でこの維持管理の難しい高速沈澱池を採用する場合にはこれらのことを考慮し、きめ細やかな技術移転をすることが重要です。引き渡し後の運転、維持管理をどのように行うかを計画時点から考慮し、計画の時点から専門技術者の育成をしなければなりません。高速凝集沈澱池に関する技術資料、運転マニュアルを提供し徹底した教育をすることにより、運転管理者のレベルアップを図ることが大切になります。

(横尾 弘一郎)

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