5.6 浄水場の維持管理とリハビリテーション


Q180
「浄水能力が水需要に追いつかないから、拡張プロジェクトを要請する」この考え方のどこに問題がありますか





  Key words:浄水場、需要水量、施設の拡張

 基本的問題としては、援助要請の背景および目的が明確でないため、施設運営事業体(受益者側)における当該拡張プロジェクトの意義および位 置づけが把握できません。
 さらに、下記の技術的項目・内容が伴った要請でないと援助対象案件として取り上げられません。
(1)現在の需要水量に対する浄水能力はいくらか。すでに足りないならば、いくら不足なのか。
(2)将来推定される需要水量はいくらか。さらに、いつ、どれだけ不足するのか。
(3)既存水源は何か。将来開発可能な水源は何か。
(4)浄水処理能力の拡張方法について。
 1)既設浄水場の処理能力拡張が目的なのか。
 2)新規浄水処理施設建設が目的なのか。
(5)浄水処理能力のみの拡張で水需要(給・配水)に間に合うのか。
(6)配水システム・施設能力は足りているのか。
(7)施設の拡張を実施することにより維持管理経費が増大することになる。これに対し、十分な収入が見込まれているのか、さらに維持管理体制は対応可能であるのかなどの運営管理上の保証を伴う必要がある。

【参考文献】
1)国際厚生事業団:水道・廃棄物処理適正技術マニュアル:大・中規模水道編,1989.

(佐々木照治)

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