5.10 水道メーターの設置と保守


Q204
途上国の悪い給水条件でも、メーターは正常に機能しますか





  Key words:水道メーター、濁度、間欠給水

1.濁度が多い場合
 一般的に水道水の濁りの原因は、その水分中に泥、鉄錆、バクテリアなどが含まれることが多く、これらの異物はメーター内に堆積したり付着したりします。この結果 、水道メーターに次のような影響を与えることがあります。
(1)羽根車式のように水の流速を計測するメーターでは、流通面積の縮小に伴い流速が速くなり、計量 精度を劣化させる。
(2)メーター内に異物が堆積あるいは付着し、計量精度を劣化させる。
(3)回転軸受部などに付着した異物により軸受部の摩耗が加速され、計量精度および耐久性を劣化させる。
(4)指示部ガラス下面まで水に浸る湿式構造の水道メーターでは、指示量を示す目盛板上に異物が堆積し、検針困難となる。
(5)管内に堆積した異物が剥離し固体となってメーター内に流入した場合、メーターを破損したり回転部への噛み込みにより計量 不能となる。

2.間欠給水(週に数日)で、管内に空気が入るような場合
 メーター内に空気が混入した場合、および管内に空気だまりがある場合は、水道メーターに次のような影響を与えることがあります。
(1)メーター内に空気が混入した場合
 1)混入する空気の体積分も計量することとなり、実際に使用した水の体積よりも多く計量 する。
 2)羽根車式水道メーターは、空気が混入した場合に調整器の調整効果が変化し、精度を保つことができない場合がある。
 3)軸受部などに空気が入った場合、その部分が加熱し摩耗、損傷することがある。
(2)管内に空気だまりがある場合
 1)圧力変動により、管内の空気だまりが膨張、収縮を繰り返し、使用量以上に指示値が進むことがある。
 2)バルブなどの急激な開閉時にウォーターハンマーの発生原因となり、水道メーターを破損させることがある。

(藤本 健夫)

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