5.11 漏水防止作業と不明水
Q211 わが国における漏水防止作業への労力投入(人・年)と漏水量 の低下について説明してください
Key words:漏水、漏水探知機、漏水防止作業
わが国における漏水防止作業にかかわる労力投入量については、水道事業の規模や調査手法などの違いにより差があり、一概に述べることは困難です。
しかし、各水道事業体は、厚生省が示した有効率の目標数値に向けた、製品としての「水」を1滴も漏らさないという姿勢がうかがえます。
漏水発見作業の手法は、コンピューターを活用した漏水発見器の開発や、小ブロック式の配水管理による漏水発見システムの開発など多様化する傾向にあります。
しかし、今日においても漏水発見の有効な手段は、昔ながらの簡易聴音棒による給水装置からの漏水音の探知と、漏水探知機による路面 からの探知があります。これらの作業は、計画的に市域を巡回して漏水を早期発見し、復元量 を抑えることを第一目標にしています。また、この作業は多くの人員と時間を費やし、根気強く継続的に行われて初めて成果 を得るものです。
以下に事例として横浜市における年代別漏水量の比較と、労力量を表1に示します。
漏水防止作業のなかでも対症療法的対策の地下漏水の早期発見・修理作業は、経年的効果 を期待するため経費と時間を多く費やしますが、老朽管の改良などの予防的対策と並行して取り組むことにより、有収率の向上に多く寄与することができます。
【出 典】
1)横浜市水道局統計年報,1994.
(三井 基典)
表1