5.11 漏水防止作業と不明水


Q224
途上国では間欠給水を行っている場合があり、汚水の混入が起こりえますがどう対処したらよいですか





  Key words:間欠給水、汚水混入、水質管理

 途上国では、給水量不足による間欠給水を行っている場合があります。その程度は国によって差異はありますが、一般 的には次のようなことがいえます。

1.間欠給水を行う要因
(1)必要給水量に対して取水量、浄水量が不足している場合。
(2)資金不足でポンプが運転できない場合。
(3)水圧が低いため給水不良になる場合。
(4)その他。

2.間欠給水の解消策
(1)水源開発。
(2)浄水場の増強。
(3)配管系統の見直し、増強の検討。
(4)財源確保。
(5)ポンプ能力増強の検討。
(6)配水池の容量および運用方法の検討。
(7)漏水防止対策の強化。
(8)その他。

3.間欠給水時の汚水混入防止対策
(1)配管技術の向上を図り適正な配管、接続を行う。
(2)配管敷設位置の検討。
 1)下水管からの離れを十分確保する。
 2)湖沼、河川の近くに敷設しない。やむをえず敷設する場合は、自由水面以上の位 置に配管する。
 3)漏水修理を早急に行う。
 4)配管材料は、漏れにくい、壊れにくい管種、継手を採用する。
 5)使用者側のポンプ設置などによる大量吸水を防止する。
 途上国においては、水資源の絶対量と水道施設の整備が不十分であることが多く、配水管の水圧を十分に確保することができず、汚水の混入などによる汚染事故が起きやすくなっています。したがって、水道の水質管理に対する考えは日本と途上国とではかなり相違しているということがいえます。わが国においては、異常渇水で給水量 の絶対量が不足する場合には給水制限を回避することはできませんが、水道の断減水は住民の日常生活に与える影響が大きいだけでなく、給水不良に伴う水道水質の安全の確保に不安が考えられ、特に水道の断水(間欠給水)は保健衛生面 での事故の危険性が大きくなることから極力避け、渇水状況に応じて次のように段階的に行われます。
 @第1段階では、需要家による自主制限。
 A第2段階では、バルブ、ポンプ操作による給配水調整。
 B第3段階では、時間給水。
 第1、第2段階の措置で対応できなくなった場合、それ以上節減するためには時間を限って給水し、その他の時間は断水する方法をとらざるをえませんが、次の点に留意して実施されています。
(1)時間給水は地域を分割し実施されるが、区域、時間などについて具体的計画を組んで、事前に十分な広報を行い、同一区域が常時断水することは避ける。
(2)需要者がむだなため置きをしないよう協力を求める。
(3)応急給水の体制を整備し、医療機関などに対し十分に配慮する。
(4)水質検査やパトロ−ルなどにより水質管理を強化し、必要によっては塩素注入率を増加し残留塩素の目標値を上げるなどの措置を行う。また、保健所など関係機関との連絡を密にし、水道による疾病の集団発生などの予防ならびに緊急事態発生にあらかじめ対処しておく。
(5)消防機関との連絡を密にし、消防活動などについて十分な協力を行えるように備える。

【参考文献】
1)昭和49年7月19日 環計第36号 各都道府県知事あて厚生省環境衛生局水道環境部通 達.

(関口 貞男、渋谷 進)

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