5.12 井戸の計画と維持管理


Q233
上総掘りで掘削した事例を示し、苦労した点、注意点などを説明してください





  Key words:井戸、上総堀り、井戸孔の崩壊

 掘削場所:ザンビア/メヘバ難民キャンプ
 掘削期間:1989年5月11日〜6月11日(31日間)

1.上総掘りの掘削で苦労した点
 図1、表1で作業全体と工程がおわかりいただけると思います。 掘削作業開始より3日間で、全掘削深度の約60%にあたる深さまで掘り進みながらも、全作業期間が1カ月もかかってしまいました。作業4〜12日めにはレキ層や硬い砂混じり粘土層でも平均的な掘削速度で進みましたが、13日目の前日は日曜日で休日としたため、井戸孔の壁が崩壊してしまいました。崩れた13.5mに弱い帯水層があるため、その日以降から毎日3mくらい崩壊しました。
 だいたい午前中の作業は、崩壊してしまった井戸孔の底の堆積物のしゅんせつ作業にとられました。一度崩壊を起こしてしまうと、いくら粘土水の濃度を上げて注入しても、井戸孔の崩壊は防げず大変苦労しました。

2.上総掘りの作業の注意点
(1)掘削作業を始めると井戸孔の崩壊のおそれが付いてまわります。休日などをとる場合には交代制で対応しリスクを回避します。
(2)井戸孔に道具や物を落としてしまうと、苦労して掘削した井戸孔を放棄することになるので、道具にひもを付けて落下を防止します。
(3)常に粘土水の濃度と水位に注意して崩壊を防止します。夜間や休日にも見回りをして常に水位 を高く保つことが大切です。

【事例プロジェクト名】
アフリカの子供に水とミルクを(難民を助ける会)

(大野 厚志)

図1 表1

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