2.6 人材養成と研修員受入れ


Q46

集団研修コースの研修生(研究員)の募集方法を説明してください





  Key words:集団研修コース、研修生(研修員)の募集方法、ジェネラルインフォメーション(GI)

 JICAにおける集団研修コースの募集方法は次のような手順で行われています。

1.研修生(研修員)受入計画の策定
 途上国側のニーズを正しく把握するため、毎年、各途上国に対して、次年度の研修コースに関する要望調査を実施します。この要望調査は、国内の関係機関に対しても行われ、JICAが途上国に派遣した各種調査団からの情報も参考とされます。
 近年、各途上国の研修ニーズは、それぞれが抱える固有の経済・社会・自然条件などの違いによりきわめて多様化しており、国別 ・地域別の計画策定・研修実施の必要性がとくに高まっています。このため、国別 援助研究会の研究報告などをふまえ、研修以外の他の協力形態との連携を行うなど、「国別 ・地域別アプローチ」の強化に努めています。
 このように、細かい配慮がはらわれた準備段階を経て、集団型研修と個別型研修の次年度の受入計画が策定され、在外公館を通 じて各途上国政府に伝えられます。

2.募集要項の送付
 受入計画の通報の後、各コースの受入対象国に対し募集要項を送付します。この募集要項はジェネラルインフォメーション(GI)と呼ばれ、各研修コースの概要、研修員の資格要件、研修期間、カリキュラムなどが詳細に記されています。

3.途上国が受入れを要請する
 途上国は、日本側の受入計画や募集要項に従い、日本に派遣する研修員候補者を決定し、受入れを求める要請書を日本政府に提出します。この要請書は、要請の背景、希望研修内容、研修員候補者の履歴、英語能力などについて述べたもので、個別 型研修の場合にはこの要請書が研修カリキュラム作成の材料となります。日本側は要請書の記載内容に基づいて受入れの可否を決定し、途上国政府に回答します。

4.研修の実施
 途上国政府を通じて日本側の受入回答を得た後、研修員は来日します。研修期間は10日前後の短いものから、約1年にも及ぶ長期のものまであり、各分野の研修は、JICAに付属する国際研修センターで行われるほか、国や地方公共団体、民間の研修訓練施設、大学などの協力を得て実施します。

【参考文献】
1)Trainig in Japan,国際協力事業団,1993.

(斉藤 博康)

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