2.6 人材養成と研修員受入れ


Q47
わが国での個別研修およびカウンターパートがわが国で研修する際の、望ましい研修内容・手法・手順について説明してください





  Key words:個別一般研修、カウンターパート、研修計画

 募集方法については、Q46でふれていますが、JICAにおける個別一般研修は、個々の要請に基づいて研修を実施するものであり、研修の目的や研修員の資格要件に何ら制限を設けていません。日本での研修内容は、研修員の要望に基づき、水道であればJICAの担当者および厚生省である程度の日程が決められ、各受入先に要請されます。
 またカウンターパート研修は、JICAの実施する他の技術協力事業(プロジェクト方式技術協力、個別 専門家派遣事業、青年海外協力隊など)のカウンターパートを日本に受入れ研修するものであり、現地での技術移転事業の補完、代替の研修と位 置づけられます。したがって、ほとんどのカウンターパートは、現地日本人の専門家と日本での受入先との連係プレーによって研修内容が決まります。

1.研修計画の作成について
 現在カウンターパート研修は上記のとおり現地日本人専門家によってかなり詳しく、研修員の要望に沿った研修計画がつくられ、日本での受入先と打ち合わせをしています。
 しかし、個別一般研修は要望書だけをもとに日本サイドで研修計画がつくられるため、研修員の要望に合った研修計画をつくるのが大変難しく、そのため、研修員が来日してすぐに行われるブリーフィングで一部研修内容の変更が要望されることがあります。そのようなことにもすぐ対応できるようにして、研修計画を作成した段階ですべての受入先を集めての事前打合せ会を開催する必要があると考えられます。また打合せ会を開催することによって、講義の重複なども解消されると考えられます。

2.手法について
 多くの受入先は、日本の最新技術を研修員に紹介していますが、確かにこの最新技術の修得が最高目標であることには変わりはありませんが、多くの途上国はまだまだすべてをコンピューター管理で運営していくだけの力はないと考えられます。したがって、浄水場管理を例にあげると日本ではひと昔前であるにしても、手動で動かすことができる浄水場の管理方法を研修させるべきです。また、短い期間でいかに効率のよい研修を行うかとなると、実技研修を多く実施できる受入先を選ぶ必要があります。ほとんどの研修員は、水道に関する知識はある程度備えており、日本の水道を紹介するような講義は極力抑え、帰国後に生かすことができると考えられる実技を多く取り入れた研修計画を立てるべきです。

3.帰国後について
 個別一般研修で来日する研修員は、カウンターパートのようにすでに日本の援助が入っていない場合もあり、せっかく研修を受けて帰国しても、その研修を生かすための機材がないという実情があります。したがって、これはすべての研修においていえることですが研修内容にに合わせた機材援助まで考えるべきでしょう。

(斉藤 博康)

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