候補者に対して、特有の国家試験策方法はありますか。

「候補者」ということを余り意識せずに、国家試験対策するのが良いでしょう。
学習支援者が、「外国人」を意識しすぎると、コミュニケーションのみならず、文化の違いや生活習慣や価値観の違い等、『違い』にばかり目が行きがちです。これが、心のバリアを築き、思い通りにうまく行かない時の、   大きな言い訳材料となります。
また、候補者からは、「『外国人』だから不利である」という意識を、なるべく取り除くような支援が必要です。
日常的に、異なる言語を用いる人が多い中で、多くの疎外感や孤立感を感じているはずです。多国籍が混在し、多様な言語での生活が日常である環境では、言語の違い自体は、それほど大きな障壁にはならないはずです。
日本という狭い国土において、方言と呼ばれる多種多様な表現は、「外国人」からみれば、全く異なる言語です。つまり、言葉にだけ着目すると、日本人でありながら異なる言語表現を用いれば、意識的には「外国人」と同様です。全く意味の分からない方言を聞いた時と同じ感覚で、候補者の皆さんは日常を過ごしているわけです。それでも、言葉は「聞く」ことによって、非言語的コミュニケーションの助けもあって、少しずつ理解できるようになります。
しかし、国家試験対策で必要な看護専門知識の学習は、日常で余り使われる ことのない専門用語や言い回しを理解する必要があります。この時に有効なのが母国語での理解です。
日本人は、難しい日本語や専門用語に出会うと、辞書や参考書を用いて、自分の理解度に合わせ、納得できる表現に置き換えて理解しようとします。この時、日本人は母国語が日本語なので、日本語を用いますが、より理解しやすくするために、普段使い慣れた方言に置き換えることもあります。
これと同じように、候補者も、これまで使い慣れた母国語に置き換えて理解することが重要となるわけです。
日常的に方言を用いる、「○○地域の人に対して特有の国家試験対策」が存在しないように、「外国人」に対する特有の国家試験対策はありません。
国籍や言語の違いに関係なく、国家試験対策の学習支援を行うという意識に 切り替えることが、ある意味では、最も有効な対策かもしれません。