候補者の人数が増え、候補者間に成績差がでています。どのように指導するのが良いでしょうか。

最も効果的な国家試験対策は、候補者のレベルに合わせた個別指導です。
しかし、複数の候補者を一人の担当者が指導する場合には、集団指導となることも多いでしょう。
集団指導には、複数人に同一内容を、一律の進度で教授する講義形式の方法と、複数人が一堂に会しながらも、異なる内容を個別の進度で教授する自己学習サポートの方式があります。
学習進度が異なる候補者を施設内で指導する場合は、後者の自己学習サポート方式が効果的です。
候補者に対する学習支援は、成人学習支援です。
成人学習支援では、個人の主体性を尊重する必要があります。この主体性は、必ずしも候補者自身から発するのもではありません。主体性は支援者が引き出すものでもあります。「主体性がない」という指導者の声をよく聞き ますが、これは、言い換えれば、「主体性を引き出すことができない」ということです。まずは、指導者が候補者の主体性を引き出すように工夫することが重要です。
学習進度が異なる候補者の集団指導では、候補者個々に最適な学習内容や 学習方法が異なります。候補者自身が自分に合った学習内容や学習方法を自覚して見い出せないと、他者と異なる学習内容や学習方法を与えられることで自尊心が傷つき、モチベーションの低下に繋がる危険性があります。あくまでも、候補者自身が主体的に選択した、学習内容と学習方法であるという動機づけが重要です。候補者自身が自分に合った学習内容と学習方法を 選択できれば、それ以降は、学習進度を確認しながら、個別の学習教材を助言 して、自己学習をサポートすれば良いです。
候補者個々に合った学習計画を立てる支援を個別に丁寧に行うことで、個別性を尊重していることを候補者に伝え、信頼関係を築くことが重要です。
国家試験対策学習の究極は、暗記学習です。
出題基準範囲の全てを暗記することは無理ですので、候補者の学習進度に合わせて学習項目と学習量を決定しましょう。また、活用する教材や学習支援ツールを決定しましょう。