国家試験対策の学習では、その大半を「暗記」が占めます。状況設定問題は、アセスメント力を問う問題であるとも言われていますが、現実的には、「パターン暗記」が効果的です。
「パターン暗記」とは、言い換えれば「疾患別・症状別の標準看護計画とクリニカルパスの理解」となります。患者の個別性を配慮した出題では、患者の主観的情報に着目することが必須ですので、看護の原則を踏まえれば解答は容易です。その他、状況設定問題は問題構成の特殊性から、記載されている情報の種類と設問は、疾患別・症状別の標準看護計画およびクリニカルパスによるところが大きいのです。
このように、要点学習をはじめとした、「暗記」を中心とした学習は、自己学習が中心ですので、指導者が直接的に介入する必要はありません。
しかし、暗記学習の進度を確認したり、正しく暗記できているのかを確認したりすることは、指導者の重要な役割です。予め日時を決めて、進捗を確認したり、小テストを実施し暗記の成果を確認したりするのが良いです。
暗記学習こそ、成果確認を行わないと、「できたつもり」になってしまいがちです。成果の確認には、JICWELSのe-ラーニングを用いるのが良いです。
集合研修テキストを用いた要点学習では、e-ラーニングの「復習テスト」が有効です。また、より実践的な問題演習では、国家試験過去問題を活用できます。領域を絞ったり、頻出項目のキーワードを絞ったりできる検索機能を活用すると、更に効率の良い学習ができます。
候補者が、指導者の直接的な介入を拒む場合、e-ラーニングを用いた学習結果を、施設担当者専用ページで確認することができますので、これを活用すると良いです。成人教育では、必要以上に指導者が接近したり介入したりすることを嫌うことがあります。成人教育では、「自己責任」「自主自律」が 原則です。そのような候補者には、指導者としては見守りを通した支援に徹しましょう。
候補者の特性に合わせることも重要ですので、このようなケースでは、介入の程度を含めた指導方法について、候補者の意志を確認するのが良いでしょう。成人教育では、個人を尊重することが成長に繋がります。