「自分に合った学習方法」とは、結果論として「成果が出た学習方法」となります。現在は途中経過ですから、自分に合っているか否かはすぐには分からないのが当然です。
自分に合うか否かは、ひとまず置いておき、どのような方法でも良いので少し続けてみることが大切です。次々にやり方を変えたり、悩んでいる時間が長いと効率が上がりません。
間違いなく、候補者を間近で指導している研修担当者の皆さんが、候補者の特性を一番理解していると思います。しかし、理解していると思い込むことは大変危険です。
そこで、一度、候補者の「強み(得意・好き)」について話し合うことをお勧めします。自ら強みに気づき、それを活かす学習方法を確認することで、モチベーションアップにも繋がるでしょう。
国家試験対策で重要なのは、モチベーションの維持です。
成人教育ですから、本来は候補者の主体性を尊重することが重要ですが、主体性を引き出す役割は、研修担当者が担います。
「書くこと」が大嫌いで苦手な候補者に、「書いて覚えなさい!」という指導は苦痛を与えるだけです。しかし、書くことがそれ程は嫌いではないという候補者には書いて覚えるという方法を試して下さい。
一般的には、記憶は五感を刺激するのが良いとされています。
「目で見て、声に出し、それを耳で聞き、手で文字を書く」学習方法は推奨されています。学習環境にもよりますが、声を出しながら読むことで学習効果は更にアップします。
一つの学習方法を工夫しながら継続することで、「自分に合わせた学習方法」が「自分に合った学習方法」へと変化していきます。
「できること」を「していること」に変える「ストレングスモデル」の考え方を、指導に活かすのが良いです。