就業中に学習時間は確保できているが、指導になかなか入れず、自己学習が中心となっています。どのように指導するのが良いでしょうか。

候補者の学習支援の基本は、『成人学習支援』です。したがって、自己の目標達成に向け、自分に必要な課題を自分で見つけて、自己学習を中心に進めることが基本です。
この時に必要な支援は、目標設定や自己の課題の発見、学習の進め方等の学習計画立案を一緒に行うことです。立案した計画に合わせて学習を実践するだけですので、確保された学習時間内では自己学習で十分です。
但し、自己学習による内容の進捗を把握し、目標や計画の見直しが必要かどうかを候補者と一緒に考える、振り返りの機会をもうける必要があります。
成人教育においては、「振り返り」は大変重要な位置を占めます。学習者である候補者は勿論ですが、成人教育においては、指導・支援する側も振り返りを通して、自らの成長を見つめることができます。
目標設定や課題設定、学習計画立案、計画実践、振り返りの過程は、「見える化」してファイル管理する、ポートフォリオが効果的です。
ポートフォリオは、教育現場で使う時には、「活動記録」の意味で用いられています。「計画→実践→振り返り(評価)」の自己のプロセスを記録に残し、候補者の自己評価に加えて、指導者のポジティブフィードバックのメッセージにより、モチベーションを高めるというのが、効果的な活用方法です。
実践した内容には、要点学習に使用したノートや、問題演習したワーク等を、そのままファイルする方法もあります。小テスト等を実施している施設では、それらをファイルしておくことで、間違えた問題の見直し等にも役立ちます。模擬試験結果は確実に自己管理することを習慣づけることが 必要です。決まったやり方はありませんので、候補者と相談しながら取り組むことが有効です。あくまでも、実施の中心は候補者であることが、候補者自身に十分認識できるように、誘導・支援することが重要です。
また、長時間の自己学習習慣がない候補者では、30分~1時間程度に時間を区切った到達目標や課題設定を行い、時間管理をすることも必要です。小さな達成感を経験させることで成長を促す、Small Step法を取り入れるのが効果的です。
自己学習支援には、新しくなったJICWELSのe-ラーニングシステムを 活用するのも良いです。