平日業務と学習の両立を、バランスよく継続するための工夫点はありますか?

平日の業務内容および業務量と、施設で確保している学習時間等により、工夫のポイントは異なります。
まず、各施設での現状を客観的に捉えることが必要です。既にバランスが 悪いと感じている場合、どのようなバランスが理想的かをイメージすると良いです。その上で不足を補い、過剰を押さえることでバランスはとれます。
候補者の「就労」は、看護師国家資格取得を目的とすることが定められています。この目的を踏まえると、国家試験対策に通じる業務内容が最適ということです。看護師国家試験では、基礎看護学領域から、基本的看護技術に 関連する出題が多く見られます。これらの実践的な学習の機会が「就労」となります。日本人看護学生は、この「就労」に相当する実践的学習の機会として、「臨地実習」が位置づけられ、国家試験受験資格として必要な単位数が規定されています。日本人看護学生が履修しなければならない「臨地実習」の 単位はわずかであり、看護実践能力を養うという、本来の実習目標達成はなかなか困難であるのが現状です。
これらの、原則と現状を踏まえると、候補者の「就労」においては、国家試験対策の位置づけであるため、「臨地実習」と同様に、「就労」で学ぶべき 目標を設け、目標達成に向けた教育的なプログラムが必要であることになります。「就労」は、看護実践を通して学ぶ機会なのです。
候補者の皆さんは、看護実践を学ぶ「就労」ができていますか?
「就労」を学習に結びつけるためには、国家試験対策に必要な学習項目を1つでも多く「就労」に取り入れることです。
候補者は、日本では無資格者であるため、臨床でできる行為には、当然制限があります。この制限は、日本人看護学生が行う「臨地実習」における制限と同様のはずです。日本人看護学生は、有資格者である臨床指導者や看護教員と共に、清拭や食事、排泄、移送等の看護ケアに加えて、多くの処置や検査の見学を体験しています。見て学ぶことで、国家試験対策に結びつくことも多くあります。受入れ施設の要件の一つに、「看護学生の臨地実習に関わる実習指導者の配置」がありますので、看護学生の臨地実習概要を参考に、「就労」の内容を決定すると効果的な学習に繋がるでしょう。