EPA看護師等受け入れ施設 御中
平素より当事業団事業に対しましては格別なるご理解を賜り誠にありがとうございます。
さて、イスラム教徒にとって大変重要な宗教儀礼であるラマダンが、今年は5月27日(土)から1か月間行われます。ラマダン期間中、大部分のイスラム教徒は一日の中で夜明けから日の入り(午前4時頃~午後7時頃)まで一切の飲食を断ちます。そしてラマダン期間が終わるとレバランと呼ばれる断食明けのお祝いを開きます。
断食を行うか否か、またその期間についても各個人によって異なるということがありますが、以下に一般的な断食月及び断食明けの大祭に関する情報を記しますのでご参考になさっていください。
ラマダン(断食月)について
~断食に関わる留意事項~
- 断食中のイスラム教徒の候補者の前では配慮として出来るだけ飲食しないようにしてあげて下さい。やむを得ず近くで食事をする際は「私は食事をしますね。」と一声掛けることがより親切な行為となります。
- 日中に断食中の候補者に食べ物や飲み物を勧めると彼ら/彼女らは受け取りを辞退すると思いますが、親切なお気持ちだけは受け取っていますのでご理解下さい。また、この旨の患者さまや周囲の方々にも周知をお願いいたします。
- 病人、生理中の女性や妊娠中の方は、断食を行いません。
- 断食を行う候補者は毎年行っており、断食月の生活には慣れていると言えます。しかし日本の夏は非常に湿度が高いなど候補者の母国とは環境が異なる点もありますので、体調がすぐれないという様子などが見られましたらお声掛等のお気遣いをお願いいたします。
~ラマダン中のお祈りと特別な食事~
- Magrib (マグリブ=日没の礼拝)
先述の通り、断食は日の出から日の入りまでです。多くのイスラム教徒の間では、マグリブと呼ばれる日没礼拝の時刻には1日の断食明けの礼拝と食事のため、1時間程度の休憩時間を取ることが通例となっています。
(日没礼拝の時刻は日々少しずつ異なります。本文あとに参考資料を掲載していますのでよろしければご参考になさってください。) - Sahur(サフール=断食月の未明2時半~3時半頃に摂る食事)
断食中の候補者はラマダン期間中サフールと呼ばれる1日の断食開始前の食事を未明2時半~3時半頃に摂りますが、深夜のため大きな物音を立てて近隣に迷惑をかけないよう候補者への事前のお声掛けをお願いいたします。
【ラマダン中の仕事について】
断食中でも、他人への「食事介助」は出来ますので、患者さんの身の回りの世話など、普段同様の仕事内容をご指示頂いて構いません。
断食明けの大祭 (2017年6月25日・6月26日)
- Lebaran (レバラン=断食明け大祭)
レバランとはイスラム教徒にとって断食明けを祝福する一年間の中で最も大切な祝日のひとつです。今年のレバランは6月25日(日)から6月26日(月)です。イスラム教徒の間ではこの祝日及び前後の休暇の時期には家族や親戚、親しい友人等が集まったり訪問しあったりすることが一般的です。日本の大晦日から正月にかけての雰囲気に近いです。
【インドネシア国内におけるレバラン手当について】
インドネシアでは、ラマダン明けに雇用主から従業員に帰省費用を支給する事が通例となっています。このため、もしかしたら就労を開始しての日が浅い候補者の中には受入施設に一時帰国費用の支給を求める者がいるかもしれません。本受け入れ事業においては、インドネシアに断食明け大祭の一時帰国をする候補者がいる場合に渡航費用等の負担を雇用主に求めてはおりません。
イスラム教礼拝の時間(日本・東京の場合)<参考資料>
*礼拝の時間は同じ日本国内でも地域により若干異なります。
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