2025年1月22日
介護分野の特定技能制度のもとで働く外国人の方々が日本で安定して長く働くためには、日本の介護福祉士の国家資格を取ることが必要です。この記事では、介護福祉士の資格や介護福祉士国家試験について分かりやすく解説します。
介護福祉士とは
介護福祉士の国家資格は、介護に係る一定の知識や技能を習得していることを証明する唯一の国家資格です。
介護福祉士は、専門的な知識・技術により、身体または精神の障害により日常生活に支障のある人に対して、その人の状態に応じた介護を行います。
国家試験に合格し、登録を受けた人だけが「介護福祉士」という名称を使うことができます。
特定技能1号(介護分野)の方が、介護福祉士国家試験を受けるための要件
介護福祉士国家試験には受験するための要件があります。介護分野の特定技能外国人の受験要件は以下の通りです。
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- 1,095日以上の従業期間(休暇、欠勤、出張、休業期間等も含んだ日数)
- 540日以上の従事日数(実際に介護業務に従事した日数)
- 実務者研修の修了
※従業期間や従事日数は試験が実施される年の3月31日までに満たせば受験できます。
(例)2024年3月10日に従業期間3年に達する場合
⇒2024年1月下旬に実施される国家試験の受験ができます。
介護福祉士国家試験の内容について
【出題形式】
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- マークシート方式(五肢択一)
- 全体で 125問(11科目群)
- 試験時間は 午前:100分、午後:120分
→外国籍の方は、申し込み時に申請をすると、1.5倍の時間で受験することができます。
【介護福祉士国家試験の3つのパートの構成と内容 】
介護福祉士国家試験は、以下の表のようにA・B・Cの3つのパートに分かれており、13科目、11科目群、125問で構成されています。
| パート | 科目名 | 科目群 | 問題数 | |
|---|---|---|---|---|
| Aパート | 1 | 人間の尊厳と自立 | ① | 2 |
| 2 | 介護の基本 | 10 | ||
| 3 | 社会の理解 | ② | 12 | |
| 4 | 人間関係とコミュニケーション | ③ | 4 | |
| 5 | コミュニケーション技術 | 6 | ||
| 6 | 生活支援技術 | ④ | 26 | |
| Bパート | 7 | こころとからだのしくみ | ⑤ | 12 |
| 8 | 発達と老化の理解 | ⑥ | 8 | |
| 9 | 認知症の理解 | ⑦ | 10 | |
| 10 | 障害の理解 | ⑧ | 10 | |
| 11 | 医療的ケア | ⑨ | 5 | |
| Cパート | 12 | 介護過程 | ⑩ | 8 |
| 13 | 総合問題 | ⑪ | 12 | |
→外国籍の方は、申し込み時に申請をすると、すべての漢字にふりがなのある問題用紙で受験することができます。(この場合、通常の問題用紙は配付されません。)
※過去の試験問題(ふりがな付き)は、社会福祉振興・試験センターのホームページでダウンロードできます。
申し込み手続き・費用等について
毎年7月頃に、社会福祉振興・試験センターのホームページで試験日程や申込み方法を見ることができます。受験申し込み手続きは、前もって、施設の担当者に相談してサポートをお願いした方がいいです。
▶ 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験 受験申し込み手続き
| 申し込み事前準備 | 『受験の手引き』を取り寄せる → 社会福祉振興・試験センターのホームページから申し込みます。 |
|---|---|
| 申し込みに必要な書類を準備する | ・受験申込書 ・写真(4.5cm×3.5cm) ・実務経験証明書(3年以上) ・実務者研修修了証明書 ・在留カードのコピー |
| 申し込み方法 | ・郵送で申し込み または ・インターネットで申し込み ※初めて受験申込みをする場合は、インターネットによる申込手続きができません。郵送での申し込みのみとなります。 |
| 費用 | 受験料:約 18,000円 |
| 申し込み期間 | 8月~9月ごろ |
| 受験票 | 受験申し込みをしたら、12月に受験票が届きます。 受験票は試験を受けるために必要なものですから、大切に保管して試験当日に持って行ってください。 |
| 試験日 | 1月下旬(1年に1回) |
| 試験会場 | 試験の会場は、全国で35試験地があります。 受験票に記載された近くの受験会場で受験します。 |
| 合格発表 | 3月下旬 |
| 合格基準 | ①下記の両方を満たす方 ・総得点125点のうち約60%以上(※)の得点があること ・すべての科目群で1点以上の得点があること ※※たとえ総得点が高くても、どれか1つの科目群でも0点があると、不合格となります。②パートごとの判定を行い、すべてのパートごとの合格基準を満たす方 |
2026年1月開始の新制度(パート合格制度)
2026年1月の第38回試験から、パート合格制度が始まりました。パート合格は、介護福祉士国家試験(13科目)を3つのパート(A・B・C)に分け、パートごとに合格・不合格がある制度です。
一部のパートだけに合格した場合、合格したパートは次の2年間は受ける必要がありません。次の年は、前回不合格だったパートのみを受験して合格すれば良いです。
全パート受験や、不合格パートでの受験など、受験方法を選択できるため、受験スタイルに合わせて計画的に学習することができます。
※例えば‥
| 1回目の試験 | 次の年の試験 | ⇒ 合格! | |
|---|---|---|---|
| Aパート | ○合格 | ―(受験不要) | |
| Bパート | ○合格 | ―(受験不要) | |
| Cパート | ×不合格 | ○合格 |
社会福祉振興・試験センターでは「パート合格」の解説動画を配信しています。
詳細はこちらをみてください。
介護福祉士の資格を取るメリット
特定技能外国人が介護福祉士の資格を取得することで、様々なメリットがあります。
まず、介護福祉士の資格を取得することで、介護職としての専門性が高まり、キャリアアップの幅が広がります。他の介護職員への指導や教育や、フロアのリーダーとしての役割を任されている外国人も多くいます。
また、特定技能での在留期間は最長で5年間とされており、それ以上日本で介護の仕事をすることはできません。しかし、介護福祉士国家資格を取得すれば、在留資格を「介護」に変更することができるようになります。在留資格「介護」に変更すれば、在留期間を何度でも繰り返し更新することができます。在留資格「介護」に変更すれば、配偶者や子供を日本に呼び寄せることができるようになります。
介護福祉士国家試験の学習テキストについて
介護福祉士国家試験のための勉強には、自分のスタイルに合った教材を選ぶことが大切です。特定技能外国人が介護福祉士国家試験にむけた勉強をするために、日本政府や関係機関は様々な教材を作成しています。ここではその一部をご紹介します。
【厚生労働省】
厚生労働省ホームページでは、介護福祉士国家試験の学習用テキストが公開されています。
無料でダウンロードできますので、ぜひ使ってみてください。
掲載先:厚生労働省ウェブサイト
- 外国人のための介護福祉専門用語集
介護福祉士国家試験の問題によく出てきた専門用語を、日本語と↓の各言語で学習することができます。
- 外国人のための介護福祉士国家試験一問一答
介護福祉士国家試験の過去の試験問題で出てきた文章を読んで、○か×かを考えるテキストです。答えは↓の各言語でテキストの後半に記載されています。
【国際厚生事業団】
国際厚生事業団では介護福祉士国家試験対策のテキストを販売しています。
こちらは有料ですが、気になる方はこちらをみてください。
外国人介護人材のための介護福祉士国家資格取得支援講座について
日本介護福祉士会では、外国人介護人材のための介護福祉士国家資格取得支援講座を行っています。
詳しくはこちらを見てください。
特定技能外国人の介護福祉士国家試験に合格する人は、日本人より少ないですが、計画を立てて勉強すれば、合格することはできます。介護福祉士になれば、日本に長く住むことができ、介護福祉士として長く働くことができます。
日本で介護の仕事を続けたい人はぜひ介護福祉士国家試験にチャレンジしてみてください。
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